【心電図検定公式問題集の解説】問題20:僧帽弁狭窄症。~左房負荷、左房拡大~

問題解説

心電図検定公式問題集の解説

※ 心電図検定公式問題集(2級/3級、改訂3版)の問題を解説しています。

問題20:僧帽弁狭窄症の心電図所見

背景:65歳、女性。労作時の息切れあり。
心拍数:約 70 /分。
:正軸(Ⅰ、aVF誘導ともにQRS波の振幅の和が陽性)。
移行帯:正常(V3誘導)。
P波Ⅱ誘導で二峰性P波、V1誘導で陰性P波
PR間隔:正常。0.12秒程度(2.5~3 mm程度)。
QRS波:幅0.10秒程度(2.0~2.5 mm程度)。RV1=0.7mV程度。RV5=1.7mV程度。
ST部分:正常。
T波:正常。

これらの心電図所見より、選択肢の中では「僧帽弁狭窄症」が最も疑われる。

判読のポイント

Ⅱ誘導で二峰性P波、V1誘導で陰性P波(Pターミナルフォースの増加)。
→ 左房負荷(左房拡大)を示唆する

P波の基本

① P波とは「心房の興奮」を反映したもの。
② P波の「初め1/3は右房」、「後半1/3は左房」を表す。
③ 右房は心臓の最も右側にある。
④ 左房は心臓の最も後方にある。
→「洞調律」の場合、心房の興奮方向は「常に左下方向」となる。
→ 「洞調律」の場合、P波は「常にⅠ、Ⅱ、aVFで陽性」となる。
⑤ P波は「右房と左房の興奮が合成」されている。
⑥ 右房拡大(右房負荷)では「高さ」は大きくなるが幅は広がらない。
→ P波の高さ ≧0.25mV(Ⅱ誘導)=右房負荷。
⑦ 左房拡大(左房負荷)では「」が広がる。
→ P波の幅 ≧0.10秒(Ⅱ誘導)=左房負荷。

※心電図の小さな1コマ(1mm)=0.1mV、0.04秒。

左房負荷(左房拡大)

①「P波の後半成分」は「左房の収縮」を反映している。
② 左房が容量負荷 or 圧負荷を受けると「P波の幅」が広くなる。
③ P波の幅が成人では0.12秒以上、小児では0.1秒以上の場合。
→ 左房負荷(左房拡大)を疑う。
左房負荷は「僧帽弁疾患」に合併することが多い
⑤ 原因:僧帽弁狭窄、僧帽弁閉鎖不全症、拘束型心筋症など。

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