【心電図検定公式問題集の解説】問題24:右房負荷。~右室肥大~

問題解説

心電図検定公式問題集の解説

※ 心電図検定公式問題集(2級/3級、改訂3版)の問題を解説しています。

問題24:右房負荷の心電図所見

背景:77歳、女性。呼吸器疾患で在宅酸素療法中
リズム:整。
心拍数:約 84/分。
右軸偏位(Ⅰ誘導でQRS波の振幅の和が陰性、aVF誘導で陽性)。
移行帯反時計方向回転(V1誘導)
P波Ⅱ誘導で高いP波(≧0.25mV)。幅は正常。洞調律(Ⅰ、Ⅱ、aVF誘導で陽性P波)。
PR間隔:正常。0.16秒程度(4mm程度)。
QRS波:幅0.10秒程度(2.0~2.5 mm程度)。RV1=0.8mV程度。RV2=1.2mV程度。V5誘導で深いS波あり。
ST-T部分V1~V2誘導でST低下、陰性T波あり

これらの心電図所見より、選択肢の中では「右房負荷」が正しい。
※右軸偏位、反時計方向回転、右室肥大を認め、病歴と併せて「肺性心」が示唆される。

判読のポイント

Ⅱ誘導で高いP波(≧0.25mV)を認める。
→ 右房負荷(右房拡大)と判断できる。

P波の基本

① P波とは「心房の興奮」を反映したもの。
② P波の「初め1/3は右房」、「後半1/3は左房」を表す。
③ 右房は心臓の最も右側にある。
④ 左房は心臓の最も後方にある。
→「洞調律」の場合、心房の興奮方向は「常に左下方向」となる。
→ 「洞調律」の場合、P波は「常にⅠ、Ⅱ、aVFで陽性」となる。
⑤ P波は「右房と左房の興奮が合成」されている。
⑥ 右房拡大(右房負荷)では「高さ」は大きくなるが幅は広がらない。
→ P波の高さ ≧0.25mV(Ⅱ誘導)=右房負荷(右房拡大)。
⑦ 左房拡大(左房負荷)では「」が広がる。
→ P波の幅 ≧0.10秒(Ⅱ誘導)=左房負荷(左房拡大)。

※心電図の小さな1コマ(1mm)=0.1mV、0.04秒。

反時計方向回転をきたす主な例と随伴所見

健常人
  → 反時計方向回転のみ。
右室肥大
  → 右軸偏位、右房拡大、V1-V2で陰性T波。
完全右脚ブロック
  → QRS幅の延長、V1-V2でrSR´型。
後壁梗塞
  → V1-V2でR波増高、ST低下、T波増高など(鏡面像)。

右室肥大の心電図の基本

① 右軸偏位。
② V1、V2誘導で高いR波+ストレイン型ST-T変化。
③ V5、V6誘導でR波<S波。
※全てを満たす典型的な右室肥大の心電図所見を呈することは稀。
※他の右心負荷所見(右房拡大:Ⅱ誘導の高いP波)等と併せて総合的に判断する。

※本症例では右房負荷+V1~V2誘導でST低下・陰性T波を認めるため右室肥大を疑う。

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