【心電図検定公式問題集の解説】問題41:洞徐脈(誤っている選択肢)。

問題解説

心電図検定公式問題集の解説

※ 心電図検定公式問題集(2級/3級、改訂3版)の問題を解説しています。

問題41:洞徐脈(誤っている選択肢)の心電図所見

背景:81歳、女性。自覚症状なし弁膜症で外来経過観察中
リズム:整。
心拍数約 43/分
:正軸(Ⅰ、aVF誘導ともにQRS波の振幅の和が陽性)。
移行帯:正常(V3~V4誘導)。
P波:洞調律(Ⅰ、Ⅱ、aVF誘導で陽性P波)。3拍目のQRS波の後に期外収縮を認める
QRS波:幅0.10秒程度(2.0~2.5 mm程度)。RV1=0.1mV程度。RV5=1.7mV程度。
ST部分:正常。
T波:正常。
QTc0.45秒程度、延長
その他3拍目のQRS波までP波とQRS波が2:1の関係となっている。

これらの心電図所見より、選択肢の中では「洞徐脈」が誤っている選択肢である。

判読のポイント

2:1房室ブロックに伴う徐脈、QT延長を認める。
② 3拍目のQRS波の後に「心房期外収縮」があることを見逃さない。
2:1伝導となっているため「洞徐脈(=1:1伝導)」ではない。

2:1房室ブロックとは?

P波のひとつおきにQRS波が脱落する。
② Wenckebach型の進展により発現することが多い。
③ Wenckebach型とMobitzⅡ型の区別はできない。
  → なので、「2:1房室ブロック」と呼ぶ。
④ 経過中にWenckebach型やMobitzⅡ型の形をとることがある。
  → その場合は区別できる。

期外収縮とは?

① 期外収縮とは「本来の収縮よりも早く出現する収縮」のこと。
② 洞結節以外の場所から刺激が発生する。
③ 刺激の発生部位によって「上室期外収縮」と「心室期外収縮」に分けられる。
④ 洞調律と期外収縮が交互に出現する場合=二段脈。
⑤ 洞調律2拍+期外収縮1拍=三段脈。

非伝導性上室期外収縮とは?

房室結節の不応期が残っていると「異所性P波のみ」となり「QRS波が脱落」する。
非伝導性上室期外収縮と呼ぶ。

※本症例では、3拍目のあとの異所性P波は「非伝導性上室期外収縮」となっている。

QT延長とは?

QT間隔が延長した状態(QTc>0.44秒)
② 多形性心室頻拍(TdP)、心室細動などが誘発され突然死の危険がある。
③ 学校心臓検診では0.006%、乳幼児では0.1%に発見される。
④ 薬剤服用、運動制限などが遵守できれば比較的予後はよいが「突然死」を完全に予防することはできない。

心電図検定対策におすすめの本

改訂3版 心電図検定公式問題集(2級/3級)

改訂3版 心電図検定公式問題集(2級/3級)
オススメ度:★★★


日本不整脈心電学会が出版している公式問題集です。
② 2~3級の受験者を対象とした本ですが、1級相当の問題が19問あります。
③ 最初にこの本で現時点の実力を測ると良いと思います。
④ おすすめの人:すべての受験者(1級~4級)

実力心電図 ―「読める」のその先へ

実力心電図 ―「読める」のその先へ
オススメ度:★★★


日本不整脈心電学会が出版している書籍です。
② 心電図の基礎知識と代表的な疾患の心電図を網羅しています。
大型本で見やすく解説や鑑別のポイントが充実しています。
④ おすすめの人:すべての受験者(1級~4級)

レジデントのための これだけ心電図

レジデントのための これだけ心電図
オススメ度:★★


① 研修医向けの本ですが、心電図を全くの基礎から学びたい人におすすめです。
② 本書のような易しい本でザッと全体像を理解しておくと勉強が楽になります。
③ 一方で、ある程度心電図の知識がある人には物足りないかもしれません。
④ おすすめの人:初学者(3級~4級)

楽しく学んで好きになる!心電図トレーニングクイズ

楽しく学んで好きになる!心電図トレーニングクイズ
オススメ度:★★★


30例の心電図を通して心電図判読の基本から応用まで解説されています。
② 心電図から「鑑別疾患を考えるトレーニング」ができます。
→ 心電図検定で試される力です。
解説が非常に丁寧であり、初学者でもつまづくことなく理解できます。
④ おすすめの人:初学者~中級者(2級~4級)

続・楽しく学んで好きになる! 心電図トレーニングクイズ2

続・楽しく学んで好きになる! 心電図トレーニングクイズ2
オススメ度:★★★


①「心電図トレーニングクイズ」の続編です。
② 前作同様、解説が丁寧で詳しいため大変おすすめです。
③ おすすめの人:中級者以上(1級~2級)

心電図のみかた、考えかた 応用編

心電図のみかた、考えかた 応用編
オススメ度:★★★


① 医師向けの本ですが、実践的な心電図判読の考え方が対話形式で解説されています。
→ 対話形式なのでスイスイ読んでいくことができます。
もう一段上の知識を付けたい人に確実におすすめできます。
③ おすすめの人:中級者以上(1級~2級)