【心電図検定公式問題集の解説】問題43:完全房室ブロック。

問題解説

心電図検定公式問題集の解説

※ 心電図検定公式問題集(2級/3級、改訂3版)の問題を解説しています。

問題43:完全房室ブロックの心電図所見

背景:58歳、女性。血圧上昇と倦怠感を自覚するようになり来院した。
心拍数約 40/分、徐脈
:正軸(Ⅰ、aVF誘導ともにQRS波の振幅の和が陽性)。
移行帯:正常。
P波:正常(高さ、幅)。P波は約75/分の頻度。
QRS波:幅0.10秒程度(2.0~2.5 mm程度)。
ST部分:正常。
T波:正常。
その他P波とQRS波が全く対応していない。QRS波の幅は狭く「接合部補充調律」と考えられる。

これらの心電図所見より、選択肢の中では「完全房室ブロック」が正しい。

判読のポイント

① P波とQRS波に全く関連を認めない。
② P波の頻度がQRS波の頻度より多い。
→ 完全房室ブロックと判断できる。

完全房室ブロックとは?

P波とQRS波が完全に解離する。
P波の周期はほぼ一定
③ 心室補充調律の場合、QRS波は幅広く徐脈で周期が一定となる。
→「規則正しい徐脈」となる。
QRS波の周期はP波の周期より長い
⑤ 補充調律がない場合、心停止となる。
⑥ 房室伝導が回復する時があれば「高度房室ブロック」となる。

房室解離と完全房室ブロックの見分け方(ざっくり)

① P波の出現頻度 > QRS波の出現頻度。
完全房室ブロック(+補充調律)
② P波の出現頻度 < QRSの出現頻度
→ 房室解離。

※本症例では、P波の出現頻度がQRS波よりも多く「完全房室ブロック+補充調律」である。

補充調律とは?

① 洞結節の自動能低下または洞結節の興奮が伝わらない病態(洞房ブロック、房室ブロック等)がある時、洞結節の代わりに房室接合部または心室(下位中枢)から刺激が出ている状態
② 補充収縮=1拍のみ。
③ 補充調律=連続して出現。
※完全房室ブロックでは「補充調律」となる。

※本症例では、QRS波の幅が狭く接合部からの補充調律と考えられる。

心電図検定対策におすすめの本

改訂3版 心電図検定公式問題集(2級/3級)

改訂3版 心電図検定公式問題集(2級/3級)
オススメ度:★★★


日本不整脈心電学会が出版している公式問題集です。
② 2~3級の受験者を対象とした本ですが、1級相当の問題が19問あります。
③ 最初にこの本で現時点の実力を測ると良いと思います。
④ おすすめの人:すべての受験者(1級~4級)

実力心電図 ―「読める」のその先へ

実力心電図 ―「読める」のその先へ
オススメ度:★★★


日本不整脈心電学会が出版している書籍です。
② 心電図の基礎知識と代表的な疾患の心電図を網羅しています。
大型本で見やすく解説や鑑別のポイントが充実しています。
④ おすすめの人:すべての受験者(1級~4級)

レジデントのための これだけ心電図

レジデントのための これだけ心電図
オススメ度:★★


① 研修医向けの本ですが、心電図を全くの基礎から学びたい人におすすめです。
② 本書のような易しい本でザッと全体像を理解しておくと勉強が楽になります。
③ 一方で、ある程度心電図の知識がある人には物足りないかもしれません。
④ おすすめの人:初学者(3級~4級)

楽しく学んで好きになる!心電図トレーニングクイズ

楽しく学んで好きになる!心電図トレーニングクイズ
オススメ度:★★★


30例の心電図を通して心電図判読の基本から応用まで解説されています。
② 心電図から「鑑別疾患を考えるトレーニング」ができます。
→ 心電図検定で試される力です。
解説が非常に丁寧であり、初学者でもつまづくことなく理解できます。
④ おすすめの人:初学者~中級者(2級~4級)

続・楽しく学んで好きになる! 心電図トレーニングクイズ2

続・楽しく学んで好きになる! 心電図トレーニングクイズ2
オススメ度:★★★


①「心電図トレーニングクイズ」の続編です。
② 前作同様、解説が丁寧で詳しいため大変おすすめです。
③ おすすめの人:中級者以上(1級~2級)

心電図のみかた、考えかた 応用編

心電図のみかた、考えかた 応用編
オススメ度:★★★


① 医師向けの本ですが、実践的な心電図判読の考え方が対話形式で解説されています。
→ 対話形式なのでスイスイ読んでいくことができます。
もう一段上の知識を付けたい人に確実におすすめできます。
③ おすすめの人:中級者以上(1級~2級)