【心電図検定公式問題集の解説】問題51:心房粗動。~通常型心房粗動~

問題解説

心電図検定公式問題集の解説

※ 心電図検定公式問題集(2級/3級、改訂3版)の問題を解説しています。

問題51:心房粗動の心電図所見

背景:72歳、男性。健康診断で心電図異常を指摘され外来を受診した。
リズム:整。
心拍数:約 75/分。
:正軸(Ⅰ、aVF誘導ともにQRS波の振幅の和が陽性)。
移行帯:正常(V3~V4誘導)。
P波Ⅱ、Ⅲ、aVF誘導で下向きの鋸歯状波(F波)を認める
QRS波:幅0.10秒程度(2.0~2.5 mm程度)。
ST-T部分:正常。

これらの心電図所見より、選択肢の中では「心房粗動」が正しい。
下記に示すように、本症例は「通常型心房粗動」である。

判読のポイント

Ⅱ、Ⅲ、aVF誘導で下向きの鋸歯状波(上行脚が急、下降脚がなだらか)を認め、等電位線がない
→ 心房粗動(通常型)と判断できる。

心房粗動とは?

① 心房粗動は「心房内(主に右房)を大きく旋回するマクロリエントリー回路」によって発生する。
② 洞性P波はなく「鋸歯状波」と呼ばれる「F波」が出現する。
③ F波の形態に基づいて、通常型非通常型に分けられる。

心房粗動の心電図

① 通常型心房粗動
→ Ⅱ、Ⅲ、aVFで下向きのF波(上行脚が急、下降脚がなだらか)。三尖弁輪を反時計方向回転する(右室心尖部から見た場合)。
② 非通常型心房粗動
→ Ⅱ、Ⅲ、aVFで上向きのF波(上行脚がなだらか、下降脚が急)

※ 非通常型心房粗動のF波は典型的な波形を呈さない場合がある。

「心房粗動」と「心房頻拍」の見分け方

等電位線がないのが「心房粗動」
等電位線があるのが「心房頻拍」
※等電位線=連続するP波の立ち上がり部分を結んだ線。

※ 本症例ではⅡ、Ⅲ、aVF誘導で等電位線が認められない。

主な頻脈性不整脈(上室性)の基本的な見分け方

① 心房細動
→ 基線の不規則な揺れ(f波)、RR間隔が不整。
② 心房粗動
→ Ⅱ誘導の粗動波(鋸歯状波)、「等電位線」がない。
③ 心房頻拍
→「等電位線」がある。
④ 発作性上室頻拍(通常型AVNRT)
→「明らかなP波を認めない」または「QRS波終末部の異所性P波」。

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