【心電図検定公式問題集の解説】問題52:心房粗動。~通常型心房粗動、1:1伝導~

問題解説

心電図検定公式問題集の解説

※ 心電図検定公式問題集(2級/3級、改訂3版)の問題を解説しています。

問題52:心房粗動のホルター心電図所見

背景:54歳、男性。動悸および短時間の失神を主訴に外来を受診した。
リズム:整。
心拍数約100/分(上段)→ 約200/分(下段途中から)
P波下向きの鋸歯状波(F波)を認める。
QRS波幅0.10秒程度(上段)→ 幅0.12秒程度(下段途中から)
ST-T部分:鋸歯状波のため評価困難。

これらのホルター心電図所見より、選択肢の中では「心房粗動」が正しい。

判読のポイント

上段の心電図
→ 下向きの鋸歯状波(上行脚が急、下降脚がなだらか)
を認め、心房粗動(2:1伝導)である。
下段の心電図
→ 途中から1:1伝導となり、変行伝導を伴って心拍数が約2倍になっている。

※ 本問では上段がない場合、心室頻拍と非常に紛らわしい心電図となっている。

ホルター心電図とは?

①「不整脈の検出」と「心筋虚血の有無」を確認するために記録される。
② NASA、CM5誘導は「P波が明瞭に記録できる誘導」である。
③ NASA誘導は筋電図の混入が少ない誘導である。
NASA誘導はV1誘導に近く、CM5誘導はV5誘導に近い

心房粗動とは?

① 心房粗動は「心房内(主に右房)を大きく旋回するマクロリエントリー回路」によって発生する。
② 洞性P波はなく「鋸歯状波」と呼ばれる「F波」が出現する。
③ F波の形態に基づいて、通常型非通常型に分けられる。

心房粗動の心電図

① 通常型心房粗動
→ Ⅱ、Ⅲ、aVFで下向きのF波(上行脚が急、下降脚がなだらか)。三尖弁輪を反時計方向回転する(右室心尖部から見た場合)。
② 非通常型心房粗動
→ Ⅱ、Ⅲ、aVFで上向きのF波(上行脚がなだらか、下降脚が急)

※ 非通常型心房粗動のF波は典型的な波形を呈さない場合がある。

「心房粗動」と「心房頻拍」の見分け方

等電位線がないのが「心房粗動」
等電位線があるのが「心房頻拍」
※等電位線=連続するP波の立ち上がり部分を結んだ線。

変行伝導(心室内変行伝導)とは?

① 心室が不応期を脱していない時に上室からの興奮が脚に達すると「機能的な脚ブロック」を生じる。
→ これを心室内変行伝導(変行伝導)という。
② 「右脚ブロック型」が大半を占める。
→ 右脚自体が長く障害を受けやすく不応期が長いため。

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