【心電図検定公式問題集の解説】問題54:心房粗動(非通常型)。

問題解説

心電図検定公式問題集の解説

※ 心電図検定公式問題集(2級/3級、改訂3版)の問題を解説しています。

問題54:心房粗動(非通常型)の心電図所見

背景:62歳、男性。動悸症状を主訴に外来を受診した。
リズム不整
心拍数:約 90~120/分。
左軸偏位(Ⅰ誘導でQRS波の振幅の和が陽性、aVF誘導で陰性)。
移行帯:正常(V3誘導)。
P波Ⅱ、Ⅲ、aVF誘導で「下向きではない等電位線のないP波」を認める
QRS波:幅0.10秒程度(2.0~2.5 mm程度)。
ST-T部分:評価困難(明らかな異常はなし)。

これらの心電図所見より、選択肢の中では「心房粗動(非通常型)」が正しい。
本症例では伝導比が2:1~4:1に変動している。

判読のポイント

・動悸症状下壁誘導での等電位線のないP波。
・Ⅱ、Ⅲ、aVF誘導で下向きではない鋸歯状波。
→ 心房粗動(非通常型)と判断できる。

※ 本問は心臓電気生理学的検査で「僧房弁輪を回旋する心房粗動」であったとのこと。
※ 問題としては「通常型心房粗動ではない」ということが理解できれば正答できる。

心房粗動とは?

① 心房粗動は「心房内(主に右房)を大きく旋回するマクロリエントリー回路」によって発生する。
② 洞性P波はなく「鋸歯状波」と呼ばれる「F波」が出現する。
③ F波の形態に基づいて、通常型非通常型に分けられる。

心房粗動の心電図

① 通常型心房粗動
→ Ⅱ、Ⅲ、aVFで下向きのF波(上行脚が急、下降脚がなだらか)。三尖弁輪を反時計方向回転する(右室心尖部から見た場合)。
② 非通常型心房粗動
→ Ⅱ、Ⅲ、aVFで上向きのF波(上行脚がなだらか、下降脚が急)

※ 非通常型心房粗動のF波は典型的な波形を呈さない場合がある。

「心房粗動」と「心房頻拍」の見分け方

等電位線がないのが「心房粗動」
等電位線があるのが「心房頻拍」
※等電位線=連続するP波の立ち上がり部分を結んだ線。

※本症例では、下壁誘導(Ⅱ、Ⅲ、aVF誘導)で等電位線のないP波があり「心房粗動」となる。

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