【心電図検定公式問題集の解説】問題55:心房細動。~変行伝導を伴う~

問題解説

心電図検定公式問題集の解説

※ 心電図検定公式問題集(2級/3級、改訂3版)の問題を解説しています。

問題55:心房細動の心電図所見

背景:54歳、男性。めまい症状を主訴に外来を受診した。
リズム不整
心拍数約 100~180/分
:正軸(Ⅰ、aVF誘導ともにQRS波の振幅の和が陽性)。
移行帯:正常(V3~V4誘導)。
P波明らかな洞性P波は確認できないⅡ、V1誘導で基線の細かい揺れ(f波)を認める
QRS波:幅0.10秒程度(2.0~2.5 mm程度)。2、3拍目は変行伝導により右脚ブロック型を呈する。
ST-T部分:異常なし。変行伝導時は脚ブロックに伴う二次性ST-T変化あり。

これらの心電図所見より、選択肢の中では「心房細動」が正しい。

判読のポイント

洞性P波の消失+基線の揺れ+RR間隔が絶対不整
→ 心房細動と判断できる。

心房細動とは?

① 心房内に「無秩序な350~600/分の興奮」が起こる。
② 洞結節の興奮は抑制され、「洞性P波は消失」する。
③ 無秩序な心房興奮=基線の細かい不規則な揺れ=「f波」。
④ 心房興奮の一部が心室へ到達し、心室興奮を起こす。
 → RR間隔が不整で規則性がない
 →「絶対性不整脈」と呼ばれる。
※心拍数は房室伝導に依存する。
※完全房室ブロックを合併すると補充調律によりRR間隔が整となる。

心房細動の心電図の特徴

① 心房細動の病歴が長くなるとf波は徐々に減高する
② f波がはっきりしない場合は「洞停止」や「接合部調律」との鑑別を要する。
③ 心房細動に完全房室ブロックを合併すると「RR間隔が整」になりうる(著明な徐脈となる)。
④ 心房細動でも「心室期外収縮」はみられることがある。

心房細動の分類

① 7日以内に自然停止するもの=発作性心房細動
② 7日以上続き、薬剤や除細動で停止するもの=持続性心房細動
③ 停止しないもの=永続性心房細動

RR間隔が変動する正常なQRS幅の頻拍(Irregular narrow QRS tachycardia)の主な鑑別

心房細動
② 心房粗動(伝導比が変動する場合)。
③ 2度房室ブロックを伴う心房頻拍、多源性心房頻拍。

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