【心電図検定公式問題集の解説】問題56:心房細動。~完全房室ブロックを伴う~

問題解説

心電図検定公式問題集の解説

※ 心電図検定公式問題集(2級/3級、改訂3版)の問題を解説しています。

問題56:心房細動の心電図所見

背景:52歳、男性。めまい症状を主訴に外来を受診した。
リズム:整。
心拍数約 30/分
左軸偏位(Ⅰ誘導でQRS波の振幅の和が陽性、aVF誘導で陰性)。
移行帯時計方向回転(V6誘導より左)。
P波Ⅱ、V1誘導で微細な基線の揺れを認める。明らかな洞性P波は認めない。
QRS波:幅0.10秒程度(2.0~2.5 mm程度)。
ST部分Ⅰ、Ⅱ、V5~V6誘導でST低下あり。
T波Ⅱ、Ⅲ、aVF、V3~V4誘導で陰性T波あり。

これらの心電図所見より、選択肢の中では「心房細動」が正しい。
本症例では「心房細動」に「完全房室ブロック」が合併している。

判読のポイント

基線の細かな揺れ(f波)規則正しい著明な徐脈(心拍数 30/分)
→ 心房細動(+完全房室ブロック)と判断できる。

※ 一般的に「心房細動単独では規則正しいリズムを取ることはない」ため。

心房細動とは?

① 心房内に「無秩序な350~600/分の興奮」が起こる。
② 洞結節の興奮は抑制され、「洞性P波は消失」する。
③ 無秩序な心房興奮=基線の細かい不規則な揺れ=「f波」。
④ 心房興奮の一部が心室へ到達し、心室興奮を起こす。
→ RR間隔が不整で規則性がない。
→「絶対性不整脈」と呼ばれる。
※心拍数は房室伝導に依存する。
完全房室ブロックを合併すると補充調律によりRR間隔が整となる

心房細動の心電図の特徴

① 心房細動の病歴が長くなるとf波は徐々に減高する。
② f波がはっきりしない場合は「洞停止」や「接合部調律」との鑑別を要する。
心房細動に完全房室ブロックを合併すると「RR間隔が整」になりうる(著明な徐脈となる)
④ 心房細動でも「心室期外収縮」はみられることがある。

心房細動の分類

① 7日以内に自然停止するもの=発作性心房細動
② 7日以上続き、薬剤や除細動で停止するもの=持続性心房細動
③ 停止しないもの=永続性心房細動

補充調律とは?

洞結節の自動能低下または洞結節の興奮が伝わらない病態(洞房ブロック、房室ブロック等)がある時、洞結節の代わりに房室接合部または心室(下位中枢)から刺激が出ている状態
② 補充収縮=1拍のみ。
補充調律=連続して出現
完全房室ブロックでは「補充調律」となる

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