【ER心電図 基本編を解く】問題47:ペースメーカー心電図。

問題解説

ER心電図 Ⅰ:基本編の解説


判読ER心電図 1(基本編)―実際の症例で鍛える

※ ER心電図 基本編(初版第4刷2019年4月)の問題を解いています。
※ 実際の心電図と解説については書籍で確認してください。

問題47:ペースメーカー心電図の心電図所見

背景:85歳、女性。胸痛
リズム:整。
心拍数:約 65/分。
強い左軸偏位(Ⅰ誘導でQRS波の振幅の和が陽性、Ⅱ・Ⅲ・aVF誘導で陰性)。
移行帯時計方向回転(V6誘導より左)。
P波:正常(高さ、幅)。洞調律(Ⅰ、Ⅱ、aVF誘導で陽性P波)。
PR間隔:正常。
QRS波幅0.16秒程度(約4mm)。V1誘導でQS型、Ⅰ誘導で幅広いR波を認める(左脚ブロック型)。QRS波の直前にペーシングスパイクを認める
ST-T部分:特記すべき所見なし(脚ブロックのため評価困難)。

これらの心電図所見より、「ペースメーカー心電図」と考えられる。

ペースメーカーの機能とは?

① ペーシング機能:心臓の電気刺激を与えて「収縮させる」機能。
② センシング機能:「自己の興奮を感知」する機能。
③ 作動(反応)様式:自己の興奮を感知したときにペースメーカーが「どう反応するか」を決める。
→「ペースメーカー」は、これらの機能を組み合わせて心臓をうまく働かせる。

ペースメーカーの代表的なモード:DDD

DDDペースメーカーは「洞不全症候群、房室ブロック」に適応となる。
 ① ペーシング部位:心房と心室。
 ② センシング部位:心房と心室。
 ③ 反応様式:同期と抑制。

※解説より、本症例ではDDDペースメーカーが植込まれている。
※本症例では、心室でペーシングを行っている(スパイクを認める)。
※本症例では、ペーシング不全は認めない

QRS波の波形と起源の推定

・QRS波の波形は「起源」により決まる。
・一般的に、左室起源=右脚ブロック型右室起源=左脚ブロック型となる。
 ① 頭側起源=ⅡⅢaVFで高いR波=下方軸。
 ② 尾側起源=ⅡⅢaVFで深いS波=上方軸
→ これらの組み合わせからおおよその起源を推定できる。
i) 右室流出路起源=左脚ブロック型+下方軸。
ii) 右室心尖部起源=左脚ブロック型+上方軸
iii) 左室前壁起源=右脚ブロック型+下方軸。
iv) 左室後壁起源=右脚ブロック型+上方軸。
v) 左室起源の場合、さらにⅠとaVLをみる。
→ Ⅰ、aVLが下向き=側壁起源。
→ Ⅰ、aVLが上向き=中隔起源。

※一般的に、心室リードは右室に留置するため、本症例のように「左脚ブロック型」となる。

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