【ER心電図 基本編を解く】問題139:完全房室ブロック。

問題解説

ER心電図 Ⅰ:基本編の解説


判読ER心電図 1(基本編)―実際の症例で鍛える

※ ER心電図 基本編(初版第4刷2019年4月)の問題を解いています。
※ 実際の心電図と解説については書籍で確認してください。

問題139:完全房室ブロックの心電図所見

背景:54歳、男性。歩行中のめまい。
リズム:整。
心拍数:約 54/分。
:正軸(Ⅰ、aVF誘導ともにQRS波の振幅の和が陽性)。
移行帯:正常。
P波:正常(高さ、幅)。洞調律(Ⅰ、Ⅱ、aVF誘導で陽性P波)。
PR間隔PR間隔は不定であり、P波とQRS波が1:1対応していない。
QRS波:幅0.10秒程度。
ST-T部分:特記すべき所見なし。

これらの心電図所見より、「完全房室ブロック(+補充調律)」と考えられる。

判読のポイント

① P波とQRS波に全く関連を認めない。
② P波の頻度がQRS波の頻度より多い。
→ 完全房室ブロックと判断できる。

完全房室ブロックとは?

P波とQRS波が完全に解離する。
P波の周期はほぼ一定
③ 心室補充調律の場合、QRS波は幅広く徐脈で周期が一定となる。
→「規則正しい徐脈」となる。
QRS波の周期はP波の周期より長い
⑤ 補充調律がない場合、心停止となる。
⑥ 房室伝導が回復する時があれば「高度房室ブロック」となる。

房室解離とは?

伝導障害がないのに1拍以上、心房と心室が別の中枢に支配されている状態
→ 心房と心室が「別々のリズム」で収縮する。

※ 本書の解説には「房室解離」と記載されているが、この定義では「本症例は房室解離とはならない(伝導障害=房室ブロックがあるため)」。

房室解離と完全房室ブロックの見分け方(ざっくり)

① P波の出現頻度 > QRS波の出現頻度。
完全房室ブロック(+補充調律)
② P波の出現頻度 < QRSの出現頻度。
→ 房室解離。

※ 本症例では、P波の出現頻度がQRS波よりも多く「完全房室ブロック+補充調律」が疑われる。
 

使用している教材

判読ER心電図 1(基本編)―実際の症例で鍛える

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