ER心電図 Ⅱ:応用編の解説
判読ER心電図: 実際の症例で鍛える Ⅱ 応用編
※ ER心電図 応用編(初版第1刷2011年6月)の問題を解いています。
※ 実際の心電図と解説については書籍で確認してください。
問題16:高度房室ブロックの心電図所見
背景:56歳、女性。最近、急性心筋梗塞と診断。
リズム:不整。
心拍数:約 55/分。
P波:正常(高さ、幅)。2~3拍に1回しかP波とQRS波が1:1対応していない箇所を認める。
PR間隔:P波が伝導している場合、PR間隔は一定。
QRS波:幅0.16秒程度(4 mm程度)、延長。
ST-T部分:ST低下を認める。
これらの心電図所見より、「高度房室ブロック」と考えられる。
MobitzⅡ型Ⅱ度房室ブロック
①「正常洞調律」において「QRS波が突然脱落」する。
② PR間隔が延長することはない。
③ 脱落前後でPR間隔に変化はない。
④ 原因は「房室接合部の伝導途絶」による。
⑤ 「器質的変化」に起因することが多い。
⑥ 高齢者に多いが、若年者にもみられることがある。
※ 本症例では、2~3拍に1度QRS波が脱落することがあり、高度房室ブロック(MobitzⅡ型Ⅱ度房室ブロック)と考えられる。
使用している教材
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判読ER心電図: 実際の症例で鍛える Ⅱ 応用編
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心電図検定対策におすすめの本
改訂3版 心電図検定公式問題集(2級/3級)
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