ER心電図 Ⅱ:応用編の解説
判読ER心電図: 実際の症例で鍛える Ⅱ 応用編
※ ER心電図 応用編(初版第1刷2011年6月)の問題を解いています。
※ 実際の心電図と解説については書籍で確認してください。
問題59:急性側壁梗塞の心電図所見
背景:60歳、男性。胸部圧迫感、冷汗。
リズム:整。
心拍数:約 45/分。
軸:正軸(Ⅰ、aVF誘導ともにQRS波の振幅の和が陽性)。
移行帯:正常。
P波:正常(高さ、幅)。洞調律(Ⅰ、Ⅱ、aVF誘導で陽性P波)。
PR間隔:正常。0.12秒程度(2.5~3 mm程度)。
QRS波:幅0.10秒程度(2.0~2.5 mm程度)。
ST-T部分:Ⅰ、aVL、V5~V6誘導でST上昇を認める。Ⅲ、aVF誘導でST低下を認める。
これらの心電図所見と病歴より、「急性側壁梗塞」と考えられる。
心筋梗塞の部位診断(ST上昇)
① 広範囲前壁梗塞:Ⅰ、aVL、V1~V6。
② 前壁中隔梗塞:V1~V4。
③ 前壁梗塞:V2~V4。
④ 下壁梗塞:Ⅱ、Ⅲ、aVF。
⑤ 側壁梗塞:(Ⅰ、aVL)、V5~V6。
⑥ 高位側壁梗塞:Ⅰ、aVL。
※本症例では、Ⅰ、aVL、V5~V6誘導のST上昇を認めており、側壁梗塞と考えられる。
使用している教材
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判読ER心電図: 実際の症例で鍛える Ⅱ 応用編
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